失敗しない人材採用シリーズです。
今回はベンチャー、中小企業のための辞めた社員の特徴から会社が欲しい人材を振り返ります。
定着しない理由
ベンチャー、中小企業での悩みは、採用後に社員が定着するか否かもあります。
良い人だと思っても一年くらいで辞めていく人も居ます。定着率が悪い理由は、下記が考えられます。
募集要項と入社後にギャップ
例)デスクワークと記載されていたのに、外回りばかりやらされる
。
人間関係
例)配属された部門の社員から嫌がらせをされている。
労働環境
例)募集時は残業ゼロと書いてあったのに、月に20時間以上ある。
給与・人事評価
例)残業代が出ない。年一回昇給のはずが、ここ数年昇給されていない事実を知った。
会社そのもの
例)自分の利益ばかりで、社員を大事にしてくれない。会社の責任を、個人に押し付けられた。
例)は極端な話であり、実際は小さいことが積み重なって我慢の限界を達した。ということになると思いますが、まさかと思うこともありますので、辞めた社員から辞めた理由をきくことも参考になります。
退職者に対して退職の面談を行い退職理由を聞くと思いますが、これとは別に退職し、時間をおいて改めて辞めた理由と聞くと退職面談の時より本音で話してくれると思います。
聞く側としても、時間が経過していることで、心を痛める内容でも客観的に捉えられたりするものです。
聞くときは当時の上司ではなく、人事担当者が適任です。ただし、「Aさんが××で・・・」という話を聞いたとしても、Aさんにフォーカスするのではなく、会社全体に目を向けるようにします。
仮に絶対的にAさんが原因だったとしても、Aさんを原因にするまでに追いつめたのは、会社の責任でもあります。
どうしても人は何かのせいにしたがりますが、Aさんに事情確認せず、辞めた社員の話だけを鵜呑みにしないことです。
良い人材を採用するための調査なので、目的を間違えないよう、細心の注意を払います。
退職面談をしよう
先ほど退職面談について触れましたが、退職者から退職願を受け取り、受理され退職までに人事担当としてやることは、退職面談です。
退職者は上司に退職願を提出するため、上司とは退職理由などを話すかもしれませんが、必ずしも本音で話しているとは限りません。
特に人間関係が退職理由だった場合、上司に話すことはよっぽどの事です。
部門の人間関係の悪化を止められなかったということは、上司にも責任があるため、上司を直接非難することになるので、なかなか言い出しづらいです。
また、上司としても人間関係が理由だと聞いても、自分の評価を気にして人事担当には、他の理由を言うかもしれません。
こうなると社内環境の改善を図ろうと思っても真実が捻じ曲げられてしまうので、人事として面談を行い、真実を聞き出します。
警戒することはあるかもしれませんが、上司よりは話しやすいはずです。
部門長ではなく社員にヒアリングしてみよう
実際に働いている社員に、「一緒に働きたくない人」とはどんな人なのかヒアリングします。
なぜ社員に「一緒に働きたくない人」をヒアリングするかというと、社員に聞いた場合は、能力(スキル)より人間力(性格、考え方、行動特性)について答えてくれるからです。
社員にとって「一緒に働きたくない人」は、辞めた人の特徴と一致します。
一致すれば、面接のときに、採用してはいけない人の特徴の判断になります。
上司として使いやすい部下だったとしても一緒に働く社員にとっては、異なることもあります。
採用してはならない人を採用したことによって優秀な社員が退職してしまう。なんてことを避けるために必要になります。
さいごに
また辞めた。と定着しないことを嘆くのではなく、辞めた人から学び次の採用に活かすことはいくらでも出来ます。
人事担当がしっかりと「振り返る」ことで、採用活動はどんどん成功する方向に向かっていきます。
辞めた社員の言葉の中には、心が折れそうになることもあるでしょう。
しかし、上っ面だけ修正しても何の解決にもならないので、真実を受け止め元から正すことで社内環境も改善し、定着率も上がるはずです。