中小企業初めての新規事業、新商品開発どこまで自社でやる?

お役立ち情報

中小企業が初めて新規事業、新商品開発を検討するときに、参考になる情報をお伝えしています。

既存ビジネスの技術もしくは販路を応用した新規事業や新商品開発を行う場合も、既存ビジネスとはまったく関係のない新規事業や新商品開発を行う場合も、どこまでを自社で行うかによって、進め方が異なります。

今回は、新商品開発の商品化までの流れをお伝えします。

 

商品化までのプロセスを確認しよう

新規事業や新商品開発を行うと決定してから商品化までのプロセスを書き出してみますので、御社に置き換えて要・不要を考えていただければと思います。

1.アイデア

アイデアというものは、降って湧いてくるものではありません。普段から考え続ける癖をつけておかないとなりません。

人それぞれ頭の使い方が異なりますので、急に言われても出てこないと思います。

経営者に「これ!」というものがない限り、どんなふうにアイデアを出してもらうか?になりますが、社員全員が対象の場合は、公募という形を取り、たくさんあるアイデアの中から、プロジェクトメンバーでブレーンストーミングで更に広げたり、深堀したり、ある程度絞り込んでいきます。

公募するときも何かお題を出したり、選ばれた時の特典を考えたり施策が必要です。賞金やギフト券も良いですが、プロジェクト名や製品番号を当選者の名前にちなむとか、命名権が与えられるなど、製品に思い入れ出来るものが良いと思います。

お題に関しては、方向性に寄りますが、家電製品の開発であれば、困りごとを出してもらい、どう解決したいか?などヒントがあると考えやすいと思います。

例)共働きで食器洗う時間がない→ボタン一押しで食器が洗える「食洗機」。
例)掃除機をかけるのが面倒→留守中に勝手に掃除してくれる「自動掃除機」。

家電製品では、使用者は女性なので、女性の声をヒントにすることが多いと思います。

逆に男性が料理することも流行っていますので、男子が格好良く使用できる「男子家電」もおもしろいと思います。

2.商品コンセプト

初めからアイデアを一つに絞る必要はありません。量産製造すると決まる瞬間まで、「今回はこれにしよう!」とならない場合もあります。

この段階では、三つから五つくらいまでに絞り込み、それぞれ商品コンセプトを考えていきます。

どんな機能で、どんなデザインで、誰にどんな価値を与えるか。価格はいくらくらいか。どんな宣伝をして、どういった販路で売るのか。など考えていくのですが、このとき大切にするべきは「お客様」です。

良くありがちな失敗は自分都合になってしまうことです。

社内のアイデアから生まれたものであったとしても、自分が欲しいものを作る。ではなくお客様が喜ぶものを作る。ということを忘れないようにします。

開発を行う企業だと、技術を持つゆえに一般の人では気付かないこだわりを追及してしまうことがあります。

迷った時は、「お客様はなにを求めているか?」を考えるようにしましょう。

3.市場リサーチ

アイデアの創出時や、商品コンセプトを作るときに、市場リサーチをしながら作成したと思いますが、商品コンセプトが何点か出来上がった時点では、実際に売れるのかどうか?

開発費用はどのくらいだろうか?どのくらいで採算は取れるのかどうか?採算が取れるのが〇年としたときに、自社への影響は問題ないだろうか?

資金繰りは大丈夫だろうか?等、もう一度社内で検討します。

4.試作とテストマーケティング

見事社内検討をクリアしたアイデアの試作品を作製します。

実際に作ると資料を作成した時には、分からなかった課題や問題点が出てくるものです。

そのため、すぐに量産するのではなく、試作品を作って社内評価をします。

社内評価と同時にテストマーケティングを行います。試作は一個だけ作れば良いというわけでは無く、数十個作製しますので、取引先で商品を評価してもらったり、小売出来るものであれば、一部の店舗において実際にお客様の声を聴いたりします。

商品化した時に実際に使用するターゲットを集め、グループアンケートを取ることもあります。テストマーケティングが終わったら、もう一度課題や問題テインを洗い出し、対応策を盛り込みます。

5.量産と市場販売

試作品の評価に合格したら、いよいよ量産製造を行います。量産製造の前に仕様書や組成表、評価基準が必要となりますので、準備しておきます。

量産の検品が済むと市場へ投入となります。販売先が決まっており、契約も住んでいる場合は、問題ありませんが、もう少し販路を拡げたいと思ったり、販売先を新規で探す場合は、展示会に出展したり、プレスリリース、雑誌等で宣伝広告を行ったりします。

自社でできることと、外部に委託することを分けよう

プロセスを一覧していくと、自社でできることとできないことが明確になると思います。

自社でできることと言っても、A.実績があって問題なくできるものと、B.やったことは無いけど出来そうなこと、C.やったことは無いけど挑戦したいことが出てきます。

◎、〇、△など項目に印をつけておきましょう。B.C.についても外部に委託することについても、調査することが多くなります。

新規で委託先を見つける場合は、うまくインターネットを使って実際に工場を見学したり、実績を確認したり、見積もりを出してもらったりして、委託先を選定します。

自社でやるときの注意

先にも書きましたが、自社都合の商品にならないように気をつけます。

機能に拘りすぎると原価も高くなり、原価が高くなると売価も高くなります。果たしてその機能は必要なのか?その機能でこの売価でお客様は購入するのだろうか?常に冷静に分析する人が必要になります。

それは、プロジェクトリーダーなのか?経営者なのか分かりませんが、自分たちの作りたいものを作っても売れないので、必要か不要か見極めが重要になります。

大手企業のように何十万台、何百万台と製造できれば原価は安くなるかもしれません。

しかし、中小企業にそんな体力はないので、機能や性能は的を絞り、ぶれないようにコントロールできる人が必要です。(的を絞るとは、妥協ではなく、譲れない機能はこれ!と決めることです。)

さいごに

新商品開発に取り組むことは、進め方、やり方を間違わなければ社員にとってもモチベーション向上や維持になると思います。

しかし、作って終わりではなく、作ってからが始まりなので、課題や問題も出てきます。

初めから完璧に出来るわけではありませんので、そこは十分留意が必要ですし経営者の素質が問われるとところです。後に社員が困らないようにしておくことが大切です。

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